三度目の正直ならず…沖縄本島一周サバイバルラン

昨年に引き続き、沖縄本島一周サバイバルランに3度目の参加しました。過去2回はリタイアだったため、今年は「三度目の正直」と思い挑みましたが、結果は170kmリタイアでした。なかなか一筋縄ではいかない沖縄サバイバルラン、その参戦記です。

沖縄本島一周サバイバルランとは

沖縄本島一周サバイバルランはその名の通り「沖縄本島をグルっと一周する」超ウルトラマラソン大会です。距離400km、制限時間72時間というかなりシビアな大会です。完走率はだいたい30%前後。
今回は参加者は全国から集まったウルトラマラソンの猛者総勢68名が出走しました。

本記事は2019年の参戦記です。

他の年の参戦記はこちら

スタートまで

大会当日の朝の飛行機で羽田空港を出発し、スタート地点となる沖縄県那覇入り。
11時少し前に会場に到着。すでに多くの全国から集まった猛者が集合していました。11時からブリーフィングが始まり、400kmに及ぶコースの説明が20分程度でされます。事前に主催者からはコース地図がインターネット上に公開されているので、とくに質問もなく終了。11時45分頃に建物の外に出て、12時から2分おきに14人づつ5ウェーブに分けてスタートとなました。スタートは番号の大きいほうからなので、最後に番号の小さい昨年の完走者がスタートします。
スタート地点の沖縄国際ユースホステル

サラっと一気に400kmを説明してしまうブリーフィング

スタート~残波岬(34km地点)

第4ウェーブでのスタート。最初はゆっくり1キロ6分より速いペースにならないよう心掛けました。一緒に並走していた佐藤さん(2017年完走)から「序盤はしっかり抑えたほうが良い」とのとても役立つアドバイスをいただき、さらに具体的には「1キロ6分30秒くらいがいいですよ」とのこと。その言葉で6分30秒を超えないように気を付けて走りました。当日の天候は曇りで気温・湿度共に高いというコンディション。軽く走っているつもりでも汗がどんどん出てきます。第4ウェーブなのですが、前に出発した選手となかなか会いません。さらに、ベテラン第5ウェーブの選手もトップ選手が抜いていった以外は会いません。つまり、6分30秒ペースがちょうどよく、ベテラン勢もだいたいそのくらいのペースで走っているということなんですね。34km地点の残波岬あたりでちらほらと前ウェーブスタートの選手が見えてきました。

那覇市内をゆっくり進む

私設エイドが各所にあってありがたいです

残波岬のCP1は雨のため東屋の下へ

残波岬~安富祖(58km地点)

残波岬まで6分30秒ペースを維持。このあたりで雨が本降りになってきました。持って行ったレインウェアを着こんで走りますが、暑い!!汗がとめどなく流れます。雨で濡れてるのか汗で濡れてるのかわからなくなってくる感じです。気温が高いので、レインウェアは着ますが、レインパンツは履きません。下半身は筋肉量も多くある程度は発熱できるので堪えられます。ほどなくして、あたりも暗くなり1回目の夜が訪れました。

残波岬あたりから沖縄らしい海のそばを

安富祖~宮里3丁目(77km地点)

交通量の多い58号線沿いを淡々と走ります。序盤からペースを抑えたことが良かったため、疲労感はなくまだまだ走れる感じでした。道の駅許田の前を軽快に通過し、名護市街に入ります。名護に入るとベテラン選手の多くがすき家に行くのですが、私はその前を通過して宮里三丁目に向かいました。

雨に濡れながらも宮里三丁目に到着

宮里三丁目~天底(107km地点)

80kmを超えてもまだ調子は悪くなりません。ペースを抑えた効果が出ていました。本部に入る手前ですごく強い風雨となりましたが、気持ちは逆にたかぶってきて楽しく走ることができました。100キロ地点の海洋博手前で古茶さんと一緒になり、前後して進みました。100キロ通過が約12時間。今帰仁あたりでも雨は依然と強かったですが、電照菊畑の幻想的な光に気持ちも癒されました。107キロの天底は体感的には110キロくらい。昨年は気持ちが悪くてツラかった区間も快適に通過。

天底では雨も上がってました

天底~道の駅おおぎみ(132km地点)

天底を出ても意外に走れます。58号線に合流して昨年リタイアした120キロ地点の真屋喜のファミリーマートも快調に通過。そこから5kmほど走っているとついに吐き気が出現。堪えながら走りましたが、ついに130km手前で堪えきれず1st嘔吐。精神的にも弱ってしまい一気に疲れも出てきます。道の駅おおぎみに着くも、カレーをほとんど受け付けず。。。

前回リタイアした真喜屋のファミリーマート

道の駅おおぎみ、吐き気で何も食べられず

道の駅おおぎみ~辺戸岬(162km地点)

道の駅おおぎみを出るとほとんど海岸線を走ります。遠くに辺戸岬の半島が見えてきますが、吐き気と戦いながらだとペースも気持ちも上がらず、まったく近づいてきません。長く感じる海岸線を歩いたり走ったりして進んでいました。すると颯爽と走ってきたランニングYoutube「Crazy Runners Channel」の大沢さん(2018年完走)が「辺戸岬は間に合いますよ」と言ってくださったので、ペースは一安心。しかし、キツい。辺戸岬直前には2キロくらいの上りがあり、まったく走れませんでした。なんとか辺戸岬に到着して、すぐにトイレに駆け込みました。すると、小便器に対してどす黒い水がでるではないですか。血尿が出ました。焦る気持ちを落ち着けるため、トイレを出てエイドの横で30分ほど寝ました。

辺戸岬直前

辺戸岬~奥(170km地点)

30分ほど寝ても、気持ち悪さは変わりません。ゆっくり歩いて進もうと思い、エイドを後にしました。辺戸岬を出て58号線に戻ると長ーい上りが待ってました。走ろうにも、吐き気でほとんど補給をしなかったため、ハンガーノック気味になり、身体に力が入らなくなってしまいました。歩道をふらふら歩き、たまに座って休むを繰り返していると、車で通りがかったお姉さんからつぶつぶオレンジのジュースをもらいました。一口ジュースを口に含んで、また歩いたり座ったりしていると、少し回復。最高点を越えて下りにさしかかったところから、少し走ってみると振動でおしっこが漏れそうな感じがします。「さっき辺戸岬でしたのになんで?」。走ることに集中できなくなってしまったので、歩いて進みました。下りきるとそこは奥の集落。共同売店で4人の選手が休んでいたので、その横でアイスを1本食べて休みました。4人の出発を見送り、さらに休んでました。休んでいるうちに再び出発する気力がなくリタイアを決意。せめて58号線の起点までと思い200m歩いて起点まで前進。58号線の起点でリタイアの連絡をするためスマホを取り出すが踏ん切りがつかず電話できませんでした。200m戻って、共同売店前にあるバス停でリタイア連絡のをするかどうかをさらに10分間葛藤。結局、連絡をして、ここで私の沖サバ2019は終了しました。

奥の共同売店

リタイアした国道58号線の起点

リタイア後

奥のバス停で連絡後1時間ほど待っているとピックアップしていただくスタッフの車が到着。一つ先のポイントの安波を目指します。連絡後からずっと車に乗るまでの間、「なぜリタイアしてしまったのか」「もっと頑張れたのではないか」「なぜ吐いてしまったのか」と自問自答をしてました。しかし、奥の集落を出てすぐにえげつないくらいのアップダウンが始まるのを見たら、「リタイアして正解だったかも」と少し思えました(笑)190km地点の安波に到着すると、なんと多くのリタイア者が!!みると完走経験者ばかり!?安波では温かい汁ものをいただき(吐き気は治ってました)、ゆっくりしてました。その間にも次々にくる選手を迎えそして送り出しつつ、「次回こそは」と固く決意。そうこうしているうちに主催者みずからが運転するバスが到着。バスに乗って安波を出発すると、またえげつないアップダウン。疲れていたため、そのまま寝てしまい、気づくと那覇に到着。スタート、ゴール地点はユースホステルなのでそのまま宿泊可能(22時までに要チェックイン)なのですが、国際通りあたりにホテルを取ったので、荷物をピックアップして、その場を後にしました。
結局、今年は悪天候など条件が悪く出走68人完走5人(完走率7.4%)という名実ともにサバイバルなランとなりました。次回こそ絶対完走。でもその前にまずは吐き気を発生させない走り方を見出さないとダメですね。

次回は走って戻ってくるぞ

通過タイム

22 たけぷー: サバイバルラン 400km(男子) 途中棄権

総合順位通過点距離記録
スタート沖縄国際ユースホステル0.0
30CP1(残波岬)34.04:02:08
13安富祖58.07:02:23
16宮里3丁目77.09:37:43
9天底107.014:04:47
15道の駅おおぎみ132.018:22:42
27CP2辺戸岬162.023:23:17
リタイア170.026:30くらい
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