NISSAN X-TRAIL Adventure Race Japan in NAGANO 参戦記 その8(Leg6後半)

アドベンチャーレースの国際大会である「NISSAN X-TRAIL Adventure Race Japan in NAGANO」にチーム【風神雷神】として参加しました。結果は総合3位(日本人1位)。今回はその参戦記です。

Leg6:MTB 後半

そして2時間後の朝4時。起きてみるとまず始めに寒さを感じた。しかし、胃腸の具合はかなり回復して良さそうな感じがする。おさむさんから「たけぷー行けるか?」と聞かれ、自身をもって「行けます!」と応え、再び風神雷神はゴールを目指して進み始めた。

補給食や給水も摂れるようになり、今まで通りに進めるようになった。過去の経験上、一度胃腸不良から回復すると、二度と胃腸不良にならない。そのため、今回もここからどんどん攻めていけた。地蔵峠から約1時間後、MTBを担いで山を登っていると目の前に【ふきのとう】がいた。聞くと女性メンバーのサッチーが山道から滑落した直後だった。幸い怪我もなかったため、我々が先に出て、後から【ふきのとう】が来る展開がこのあと2時間くらい続いた。

CP29,30と順調に取って、虫倉山の登りに差しかかった。とても急な斜面の鎖場で両側が崖になっている。「ここをMTBを担いで登るのか!?」「コースクリエーターのごおしも凄いコースを作ったな」など考えていた。先頭はキャプテン明日香、かなりパワフルにガンガン登っていく。その後ろから私が登り、おさむさん、久保田さんと続く。さらに後ろからも【ふきのとう】の声がするので、時間差はほとんどなかった。やっとのことで虫倉山に登り、その後は担ぎ下ろしたり、快適なシングルトラックを進んだりして山を下る。飯縄山直下に到着し、事前にルート検討していた南のダブルトラックを下る。本来、コース的には北から回ったほうが2kmくらい近いのだが、地図上には道が記載されていなかったので、道を使った南ルートを選択した。後で聞いたところ【ふきのとう】は北ルートを選択していて、出始めは道があり良かったが、後半藪になってしまいタイムロスしたとこのことだった。
南に下って再び上り坂を行く、ここで久保田さんが疲れからかやや遅れてしまい、おさむさんが牽引をした。「おさむさんの底無しの体力恐るべし」。あとはなるべくスピードを落さないように走って、TA6/CP31に9:15に到着した。

TA6/CP31鬼無里の湯の出発制限時間は8:00なので、到着時点ですでに1時間15分遅れていた。この時点でLeg7のトレッキングはできなくなり、完全完走はなくなってしまった。アドベンチャーレースでは、すべてのコースを回ってゴールすることを完全完走と言い、まずは出場選手の目標となる。

完全完走はできなくても、まだゴールするまで競技時間は進んでいる。最後の準備をして再びMTBに乗ってゴールの白馬を目指して9:25にTA6/CP31を出発した。
鬼無里から白馬までは長い上りが約8kmほど続いていた。TA6でコーラを補給した久保田さんは調子を取り戻し、いつも通り快調に上っていく。キャプテン明日香も、毎週行っているGEKIZAKA練の成果を発揮し、調子よく上っていく。私はバテてしまったのか上りの調子が悪く、おさむさんに牽引してもらった。すぐ横を見ると明日香が「あと少し!頑張れ!!」と励ましてくれる。励ましは嬉しいが、内心「オレを後ろから押してくれ!」とか「オレの背負っている荷物を持ってくれ」と思ったりしていた(笑)この時点で地図を見ることは諦め、ひたすらペダルを回すことに集中していた。どれくらいの時間上っただろうか、ふと前を見るとトンネルがあり、そこには久保田さんが立ち止まっていた。私はトンネルの先もまだ2kmほど上る気持ちでいたので、どうしたのかと思ったが、久保田さんから「ここから下りだ」と言われ長かった上りが終わったことを知った。

トンネルを抜けると目の前には北アルプスの山々の絶景がドーーン広がっていた。「白馬に戻ってきた!」。あとは長い5kmの下り、みんなで軽快に下っていく。「あそこが1日目に登った尾根だよ」とか言いながら、快晴の白馬の長い下りを楽しんだ。そして、スタートだったハイランドスキー場前を通過し、ついにゴールが見えた!スタートから50時間、思い返すといろいろあった長いようで短い濃厚な時間だった。そしてゴールゲートを4人で通り、準備段階から含めると約1年の我々のアドベンチャーレースが終わった。終わった瞬間、目から少し汗が流れ出た(笑)

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